見通しの良い大きな国道の信号機のない交差点での事故

少し薄曇りの日お昼前のことです。
地域の行事の為出かけていた息子から迎えの電話が入り、丁度買い物に行く予定だった母に車を出してもらい出かけました。

当時納車が済んでからまだ3ヶ月ということもあり、母が率先して運転をしてくれていました。
もともと、勤務をしていたこともあり退職後も運転が好きな母で、当てられた事故はあったものの自分から事故を起こしたことはありませんでした。

観光地に住んでいるため休日となると交通量が極端に増える街なのですが、その日はバイパスもスムーズに流れており、私たちは前の車と程よい車間を開け走っていました。

ふと前を見ると小さな十字路で車が止まっているのが目に入りました。
そこは周りに住宅や壁などの視覚を遮るような障害物もなく、あるのは高さ50�p程度の車道の植え込みだけ。
これだけ見通しの良い場所でしたので車の姿が目に入っても何も感じませんでした。

が、前の車が通過したその時、いきなりその車が飛び出してきました。

「あっ」という間もなく激しい破壊音が響き、シートベルトがぐっと体に食い込みました。本当に一瞬の出来事でした。

相手の男性が、
「大丈夫ですか?車動けますか?」
と窓から声をかけてきましたが、
「は、はい」
と答えるのが精いっぱいで心臓が激しくなっておりました。

と、先方の車がぐっと反対車線(その車は右折をしようとしていたのです)まで動けるだけ動き、少し落ち着きを取り戻した私の方で警察への電話と保険会社への電話を行いました。

現場検証の結果おまわりさんからも、
「災難だったね…この状況じゃ逃げようがないよね…もし痛みがあるようなら病院に行った方がいいですよ」
と慰めの言葉をもらい、母も私も首と腰に鈍痛が生じたため、車は前面が完全につぶれてレッカーされたので、仕事中だった主人に迎えに来てもらい病院に行きました。

その際相手から一言も謝罪の言葉が無かったことを今でも腹立たしく思い出します。そしてレッカーに来た業者から
「ああ、こりゃ相手の車が反対車線にこれだけ出ているから、お宅が無理をしたんじゃないの?」
という不愉快な言動にも…。

その後不愉快さが現実のものとなってきました。

保険会社から相手の人が、自分は完全に車道まで出ていたにもかかわらず突っ込んできたと言っているとのこと。
はらわたが煮え返る思いでした。

警察の聴取の際にもタイヤ痕の位置などからこれは災難だといわれ、道路交通法違反で厳罰を望むか否かと言われたにも関わらずにです。
大手の保険会社にもかかわらず(先方もこちらも同じ保険会社でした)やり取りが全然なっておらず、警察の資料は見ない、現場を間違えて交差点でなく一般の敷地から出てきた相手とぶつかったんじゃないかと言いがかりをつけられる始末。

なんやかんやで結論が出るまで4ヶ月かかりました。結果はどうにも相手が引かず8:2でした。
以降入っていた保険会社を変え、ドライブレコーダーを付けました。

今でもその現場に行くと心臓がどきりとなります。