私は大学生の時に地元の道を夜間に自転車で走っていて、前方から来た原付バイクとぶつかって示談金と賠償金を請求された事があります。
1995年の夏、大学1年生だった私は大学の前期試験の真っ最中で毎日徹夜で試験勉強を行っていました。
その日は、前期試験の中日で試験が終わった後も、同級生らと翌日の試験の対策勉強を大学の図書室で行い、帰宅は夜の8時頃になってしまいました。
駅からいつもの道を自宅まで自転車で帰っている途中、前方から蛇行運転をする原付のバイクがふらふらと急にこちらに走ってきて、私は避ける間も無くそのオートバイに接触されて、バイクと私の自転車は正面衝突してぶつかり、バイクも私も自転車もろとも転んで道に投げ出されました。
その道は、私の中学校の母校の前の見通しの良い真っ直ぐな道で、明らかに前方から来る原付のバイクは無灯火の状態で蛇行運転しているのが見え、私はおかしいと思いました。
が、事故を起こして慌てている私はとにかく「すいません、大丈夫ですか」とバイクの運転手に謝って近くにあった公衆電話に救急車の要請をしようと立ち上がり公衆電話に向かおうとしました。
その時にバイクの運転手から「警察に電話する前に俺の怪我をどうにかしろ」と言われ、私は「すいません、でも救急車じゃないとどんな怪我をしているかも判らないし」と言ったのですが、相手は救急車と警察を呼ぶ事を頑なに拒否していました。
そしてその場は私は学生証をバイクの運転手に提出する様に要求され、とにかく事故を起こして気が動転していた私は、素直にバイクの運転手に学生証を渡してしまったのです。
そこから相手の恐喝まがいの示談金と賠償金の請求が始まったのですが、当時、今は無き私の父親にこの事を話すと「これは警察に言った方が良い」という事になり、私と父で地元の管轄の警察署に行き、事の顛末を話したのでした。
しかし、事故当時に警察や救急車を呼ばなかった事から、事故当時の詳しい状況が分からなかった事と、相手が恐喝までいかないギリギリのラインで、私達家族に慰謝料や示談金などを請求している事から、刑事事件で相手を告訴する事は出来ず、結局腕の擦過傷(バイクの男性は軽いスリ傷でした)の治療費としてバイクの男性に5万円を支払い、事は決着しました。
私の胸には釈然としない思いが残ったのを記憶しています。